脂肪肝の超音波所見

こんにちは

臨床検査技師のすみこ(@sumiko1020)です

今回は脂肪肝について詳しく説明していきます

脂肪肝って何？

肝小葉の1/3以上の幹細胞に脂肪滴が貯留した状態を脂肪肝といいます。

アルコール多飲の有無によりアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝（NAFLD）に大別されます

３大原因はアルコール・肥満・糖尿病

その他の危険因子としては内分泌異常（甲状腺機能亢進症、妊娠）、薬剤などがあります

脂肪肝では特徴的なエコー所見がいくつかあります。

レポートで実際に使われている所見も多いのでしっかりと覚えましょう

肝実質のエコーレベルが上昇している状態です

肝臓の実質のエコーレベルが腎皮質に比べて高い状態（肝腎コントラスト陽性）です

腎機能が悪く腎皮質のエコーレベルが上昇している人は、肝臓と脾臓の実質を比べた肝脾コントラストを観察しよう

深部エコーが減衰している状態です

肝実質のエコーレベルが脂肪を蓄積し上昇することによりエコーの散乱、減衰が原因で起こります

肝内血管が不明瞭化した状態です

エコーの散乱が原因で起こります

肝と右腎や胆嚢との境界が曖昧になった状態です。

肝臓には血管の走行などにより脂肪沈着の少ない部分が発生することがあります。

① 胆嚢周囲（胆嚢静脈の還流領域）

② 左葉内側（S4）及び左葉後外側（S2）背側（右胃静脈の異所性還流領域）

③ 左葉前面肝表面直下（Sappeyの静脈還流領域）

AST、ALT、血清TGは正常〜軽度上昇

γ-GTP、コリンエステラーゼの上昇

脂肪肝の基準値　肝臓CT値/脾臓CT値＜０.9

高度脂肪肝では深部減衰、脈管不明瞭、肝実質と脈管のCT値の逆転を認めます。